町ぶら刈谷百景(2)
■元人間国宝、加藤唐九郎作の陶壁
刈谷市民交流センター1階にある「陶壁」は、かつて人間国宝に指定されていた加藤唐九郎(1897~1985年)の作。しかしこの陶壁の存在は、あまり多くの人に知られていません。
同センターはかつて市役所南庁舎(議会棟)として使用されていました。この陶壁は南庁舎完成後、1982年に東海銀行から寄贈されたもの。サイズは縦約3.3メートル、幅8メートル。約200枚の陶板で構成されています。
題名は「瀟湘(しょうしょう)」。中国湖南省の洞庭湖に注ぐ瀟水と湘水の2つの川がつくり出す風景を詠んだ漢詩の一節がイメージされているといわれ、釉薬で色彩を表現。大胆に描かれた白い模様は、北へ帰る雁が表現されているそうです。
陶壁の前には、刈谷ホームニュースが12年6月9日に報じた記事が掲示されており、来館者に作者や歴史を紹介しています。