姫様の頭は馬のへそ -14-
日がすっかりと暮れた頃、夜空のてっぺんをじっと見ると、きれいな四角形の星の並びが見つかります。天高く馬肥える秋といいますが、天馬、ペガスス座の胴体にあたる「秋の四辺形」です。星座探しの出発点になる星の並びです。
その一角から北東にぽつぽつと連なる星がアンドロメダ座で、古代エチオピアの姫様です。
星座絵を見ると、ペガススのお腹とアンドロメダの頭がくっ付いて、同じ星を共有しているようです。
ところが、1928年の国際天文学連合の総会で星座の境界線が正式に決定され、この星はアンドロメダ座のα星となりました。大切な頭の星を失わなくてほっとしたアンドロ姫ですが、その星の名前は「アルフェラッツ」。意味は、なんと「馬のへそ」。星は譲ってもへそは譲らない天馬ペガススでした。
絵・文/安城天文同好会
(2018年11月23日掲載)