刈谷文化賞・功労賞受賞者①
創立45周年を迎えた刈谷文化協会は、文化発展に尽くした会員94人を表彰しました。刈谷文化賞は洋画の青山誠一さん=刈谷市熊野町=と端唄の藤本秀内まささん=同市野田町、文化功労賞は工芸の伊藤要さん=同市小垣江町=が受賞。各部門で活躍する文化奨励賞は37人、80歳以上の長老栄誉賞は54人が選ばれました。
私と対象物の関係を追求
洋画 青山誠一さん
洋画家(油彩)として、日展で20回入選。美術団体の光風会でも長年活躍してきました。「生きているものが放つ空間の緊張感、私と対象物の関係を絵にどう表現するか」と語り、主に女性の人物画をモチーフに作品制作を続けてきました。
刈谷文化協会には設立時の1976年に入会し、洋画部会長や美術部門長を歴任。文協美術展などでは、30年以上にわたって審査員を務めています。
1949年、静岡県生まれ。高校時代に卒業生で日本画家の秋野不矩の作品に影響を受け、これが画家を志すきっかけの一つになりました。東京の大学に進みましたが、時代は学生運動のさなか。中退を決意し、就職を機に刈谷へ移りました。
現在は熊野町にアトリエを構え、ラ・ヴァレー美術研究所を主宰。中日文化センターをはじめ、各所の絵画教室で後進の指導に力を注いでいます。「10代、20代の若い人たちにも教えています。いいところを見つけてあげて、自ら進展できるように後押ししたい」
古稀を過ぎ、ますます高まる作品制作への情熱。「いつとは言えませんが、刈谷市美術館で個展ができたらとも思っています」。こうした意欲的な姿勢や幅広い功績が認められ、受賞した刈谷文化賞。「刈谷の文化発展に心血を注いできた文協洋画部門の皆さんに贈られた賞だと受け止めています。ありがとうございました」