マリンバ&ヴァイオリンコンサート
辻さんと手嶋さんからのメッセージを紹介いたします。
○辻純佳さん
ー出演への意気込み、演奏への思い
「幸田町民会館において、オーディションや研修を経て、2年間登録アーティストとして活動させていただきました。各小学校で授業の1コマの時間をいただき、子どもたちと近距離でコミュニケーションを取る。研修と実践を通して経験を積ませていただいたことは、アウトリーチに限らず音楽や生活の面でも、視野を広げられたきっかけの一つとなりました。今後は、出身地である岡崎市を始めとして全国の子供たちへもアウトリーチを通して音楽の素晴らしさを届けたい思いです。また、病院や施設などコンサートホールへの外出が難しい方々へも音楽を届ける活動ができたらと考えています。
今回の演奏会では、アウトリーチを経たからこそ作ることのできる誰もが共感できる音楽の時間をお届けしたいと思っています。お越しくださるお客様とともに、心がつながる時間を作り上げられるよう、精一杯準備を進めています」
ー読者へのメッセージ
「世界中で感染症が流行し始めた約2年前、こんなにも大変な時に私はヴァイオリンを弾いていていいのだろうか、と葛藤がありました。そんな思いから前向きになれた転機となる1つの演奏会が、幸田町で開催された『守ろう心プロジェクト』の演奏会でした。スタッフの方から『演奏家の今の思いのままを話してほしい』と言われていた演奏の合間のトークで自然と涙がこぼれたその時、自分が感じていた以上に舞台で演奏をし、それをお客様に聴いていただくことを心から求めていたのだと実感しました。そして、演奏家は音楽空間を共にするお客様にパワーをもらっていたからこそ本番の演奏ができていたということを思い知らされました。生演奏を聴くことを待ってくださっていた方や、はたまたこんな時期に演奏会に出掛けることに家族から反対されながら足を運んでくださった方もいるかもしれない。今涙を流しながら聴いてくださるのお客様に音楽を届けたいと、これからも音楽家として前に進んでいかなくてはいけないと思うことができた瞬間でした。
そのような経験を通して、音楽は『日常と非日常を組み合わせることができる』と感じるようになりました。音楽の力が、現在の社会状況で生きる人間の窮屈になってしまっている心に一石を投じることができるのではないでしょうか。このような世情だからこそ、日常生活で感じているもどかしさや辛さなどの様々な感情を、音楽を聴くことによって縮まっていた気持ちが解れたり、新たな考えや指針を自ら生み出すことができるのではないかと信じています」
○手嶋莉子さん
「私にとってアウトリーチは、とっても大切にしている活動です。子ども達のキラキラした瞳には、胸がいっぱいになります。また、幸田町は、大学を卒業する前から、ずっとお世話になっている大好きな場所です。私にとって大切なものが合わさった、このようなコンサートをさせていただけますことを本当に嬉しく思っております。
コロナ禍での演奏活動を通して、生の音楽の温度というものを痛感しました。様々なサービスが増え、自宅にいながらでも音楽を楽しめる世の中になりましたが、目の前で音楽を感じていただくこと、生演奏のパワーを強く信じています。
アウトリーチで演奏する曲とはまた違う曲も用意しているので、子ども達には楽しみにして聴きにきてもらいたいですし、名曲も珍しい曲も両方お楽しみいただける欲張りなコンサートになっていると思います。是非たくさんの方に足をお運びいただけましたら嬉しいです」