瓦の良さ広め若手育成に注力《知立》
ズームアップぴーぷる
矢野 敏平さん(70)
矢野屋根工事店代表
愛知県屋根葺技工組合組合長
「日本の風土に一番合っているのは『粘土瓦』の屋根。耐久、耐熱、防水、防音、どれを取っても一番」。祖父の代から続く創業110年の〝屋根屋〟の3代目。文化財を含む社寺など伝統文化の保護に努める一方、若い職人の育成にも積極的に取り組んでおり、2019年に「現代の名工」に選ばれ、昨年は「黄綬褒章」を受章しました。
手間を省き、工期が短縮できる瓦を製造業者と考え、「本葺一体瓦」を開発。屋根から瓦が落ちない国基準の「ガイドライン工法」も先頭に立って広めています。
中学卒業後、父親の下で修業。27歳の時に1級かわらぶき技能士を取得。「とにかく必死に見て覚えた。1級を取った時にやっと認めてもらえてうれしかった」と懐かしみます。
「昔の〝いい物〟は残していきたい」がモットー。寺などの古い瓦を焼き直して使えるか見極め、依頼者にとって最善の方法を提案。沖縄の首里城再建にも声がかかっています。
趣味は釣りとゴルフ。知立まつりの惣代長を4回担うなど、町の伝統文化の保存や継承にも尽力。
「何でも一番になるまで極めたい。仕事でも趣味でも『いい物をありがとう』と言ってもらえるよういつも心がけている」
知立くらしのニュース2022.12.9掲載