雅楽器の響きのうっとり
岡崎出身の田中佐京さんが演奏会
岡崎出身の雅楽器奏者、田中佐京さんの演奏会「祈り」がこのほど、岡崎市の世尊寺で行われました。ろうそくの火にぼんやりと照らされた本堂で、約70人の聴衆が笙(しょう)と篳篥(ひちりき)の響きに酔いしれました。
田中さんは29歳。市内の小、中、高校を卒業後、作曲を学ぶ中で雅楽と出合い、笙と篳篥の奏者として全国で活動。演奏曲は雅楽にとどまらず、さまざまなジャンルの演奏者と共演しています。
この日の演奏会では、笙の即興演奏でスタート。自身がアレンジしたピアノ伴奏に合わせて、曲によって笙と篳篥を持ち替えながら、童謡や雅楽の古典、クラシック、ジャズなどを数曲披露。雅楽器の歴史もユーモアを交えて紹介しました。
岡崎市内在住の女性が田中さんの演奏や人柄に感激し、「もっと多くの人に知ってほしい」と演奏会を企画。「たっぷりと演奏していただき、お客さんも感動してくれたと思います」とにっこり。
田中さんは「祈りにちなんだ曲を選んで演奏しました。忙しい日々の中で、僕の演奏が皆さんの余白と癒やしになれば。たくさんの方と出会えたことに感謝します」と穏やかに話していました。