家屋の耐震性知り対策 “シェルター”のように《知立》
防災ママかきつばたの高木代表宅
9月は「防災月間」。南海トラフ地震が発生した場合、知立市では、震度6強~7の強い揺れが予測されています。そんな中、日頃から防災啓発活動に力を注ぐ市民活動団体「防災ママかきつばた」代表の高木香津恵さんは、住居の強度に疑問を持ち、耐震診断を受けた後、補強工事を決断。「防災食などの備蓄をしていても、肝心の家が倒れては。考えるきっかけになりました」と話します。
山屋敷町で築30年の中古住宅を約10年前に購入した高木さんは、夫と小学5年生の長男との3人暮らし。防災士の資格を持ち、「防災について学んでいると、1993年に建てたこの家は大丈夫かと心配になりました」。防災活動で知り合った仲間から、設計事務所や工務店で構成された「日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)」を紹介され、耐震診断を受けました。
診断の評価は1階部分が「震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する可能性がある」。リフォームを考えていたこともあり、クロスの下に耐震壁を設置し、壁の配置バランスを整える工事に踏み切りました。
診断をした匠一級建築士事務所の阪本尚彦社長は「新耐震基準(1981年6月~2000年5月に建築)の木造住宅の大部分は、耐震性に問題があるという調査結果が出ていますが、診断を受けている住宅が少ないのが現状です」と話します。
高木さんは「たとえ補強工事をしなくても診断をすれば家屋の弱点が分かり大地震が起きたときにどう避難するかの目安にもなります。わが家の場合は工事をして〝シェルター〟のようになりました」。
知立くらしのニュース2023.09.22掲載