警察庁長官から表彰 子ども見守り30年
愛知県刈谷市の高津波防犯パト青木一男さん
紺地の制服の胸に輝く金色の「防犯」の刺しゅう―。愛知県刈谷市の山池町周辺で30年間、町の安全を見守る青木一男さん(92)が、「防犯栄誉金章」を受賞。9月28日、明治記念館(東京)で、警察庁長官と全国防犯協会連合会会長から表彰状が渡されました。
青木さんは「健康で続けられ幸せです」と口元を緩めます。
きっかけは1993年、地元で軽自動車の中に押し込まれそうになっていた女子中学生を助けたこと。「子どもを守りたい。安全なまちにしたい」と、一人で見回りを始め、96年には有志者15人と刈谷初の自主ボランティア「高津波防犯パトロール隊」を発足。小高原小学校、日高小学校区の児童生徒の登下校を見守り、情報交換会などで地域との信頼関係を築いてきました。
「体を張って子どもを事故から守り、心を込めて叱る。その場では『くそじじい』と反抗した小学生が後になって『おじさん』と声をかけてくる。通じたと実感します。大切なのは大人が子どもと真剣に向き合おうとすること」と話します。
現在の住まいは小垣江町。バスで刈谷駅まで来て自転車に乗り換え、活動場所へ向かう毎日。「30年の集大成として、市内全地区で連携して取り組むパトロール組織を築きたい」と力を込めます。
受賞者は全国で94人、県内で5人。