FC刈谷 茂庭新監督が熱い挑戦
東海社会人サッカーリーグ1部に参戦する「FC刈谷」の新監督に、2006年ドイツワールドカップ日本代表DFの茂庭照幸氏(42)が就任。昨年12月、FC刈谷を最後に現役引退し、監督として挑む初シーズン。「これまでどんなプレッシャーも飲み込んできた。これから起きることも全て飲み込み力に変えていく」―。茂庭監督が熱い思いを語ります。
「日本一走るチームに」
―今季の目標は
JFL(日本フットボールリーグ)昇格。そこだけです。
―どんなチームに?
現役時代500を超えた公式戦出場で、あと数㌢足がボールに近付いていれば「勝ててた」「ファールにならなかった」と悔しい思いを幾度も味わった。攻守において一歩前に出るために走る。平均年齢23・5歳のFC刈谷を「そんなに走るか」というチームに育てる。
―厳しさが増す練習
やるべき事はピッチに落ちている。練習後、
立ち上がれない選手もいるが、自分もそうだった。朝起きると筋肉がパンパンで、トイレにたどり着くまで何分かかったことか。
―選手に求めること
厳しさに食らいつき、こなした者がピッチに立つ。それを乗り越えた選手にしか任せられない。日本を代表する選手の多くが同じことをしているはず。
―監督と選手の違い
選手時代、自分がきつい時間帯は、仲間も試合相手も同じではないか、ならば「自分が引っ張る」、と踏ん張った。今は、どうやって選手に踏ん張らせるか。簡単なことではない。
―指導のポイントは
選手に求める基準を明確に提示し、なぜ必要なのかを伝える。1年かけ、若い選手たちとも話ができる関係を築いてきた。時には「大丈夫だ、俺がやってきたことだ」と言って背中を押したい。
―「元日本代表」の肩書で注目を集めます
メディアに取り上げられ世間の注目を集めることは、これまでFC刈谷に関心のなかった人たちにも知ってもらえる機会。刈谷の皆さんの声援が選手たちの一番の力となる。「新しい監督のサッカーってどんなもんだ?」、そんな感じでもいい。一度、スタジアムに足を運んでください。皆さんのお尻が浮いてしまうほどのプレーを見せる魅力的なゲームをしたい。
―現役引退、監督就任の決め手は?
30代半ば頃から引退を意識し始めたが、「もう少しやりたい」と現役にこだわりFC刈谷に来た。ただ、どんなに優秀な選手であっても、監督というポストと巡り合えるわけではない。与えていただいたチャンスを選んだ。
向いている方が前
―刈谷の町の印象
整った町、人が温かい。妻が三河出身なので、以前からよく23号線を運転したし、FC東京時代にはウェーブスタジアム刈谷でプレーしたこともある。
―休日の過ごし方
家族サービスかな。中1の息子が食べ盛りなのでスーパーへ買い出しに出かけたり。
―クラブのスクールで小中学生に指導されていますが、子どもたちへメッセージを
目標に向かい走り続けた選手が最後はピッチに立っている。僕は「自分が向いている方が前」という言葉が好き。自分が信じたことをやり続けてほしい。