青い目の人形レプリカ完成
幸田親善人形友の会「歴史の意義を伝えたい」
太平洋戦争前、米国から日本に友好の象徴として贈られた約1万2千体の「青い目の人形」。幸田小学校で保管されているグレース・エッサと命名された人形のレプリカが完成し、制作事業を手がけた有志団体「幸田親善人形友の会」がこのほど、幸田町立図書館ギャラリーで披露しました。
同校にある青い目の人形の劣化が進んできたことから、同会が「歴史の意義を伝えていくためには、人形に触れてもらうことが大事」と、4年前にレプリカ制作を計画。募金などを行い、約110万円の費用を集めました。
専門業者にレプリカ制作を依頼し、実物の見た目やサイズを忠実に再現。新しいピンクのドレスを着たグレース人形は、体を起こしたり横たえたりするとまぶたが開閉する仕組みも備えています。
同会はレプリカを同校児童らに披露した後、6月下旬に同館ギャラリーで完成披露展を開催。多くの人が来館し、復元されたグレース人形を興味深そうに見物していました。
2027年には、青い目の人形が日本に贈られてから100年の節目を迎えます。成田重忠会長は「今、世界で求められている国際協調、共存主義の精神を伝えていくのに、青い目の人形のレプリカを一人でも多くの人に見てもらえるように活用していきたい」と話しています。