獅子頭職人情熱を後輩へ 鈴木富喜さん
母校の刈谷市立富士松中学校で講演
愛知県刈谷市今岡町に工房「荒神堂」を構える、獅子頭彫刻師の鈴木富喜さんが9月26日、母校の富士松中学校の体育館で講演。2年生約170人に、職人としての生き方を通して、仕事への情熱を語りました。
鈴木さんは同校の41回生。祖父の時代から続く獅子頭彫刻師の家系を引き継ぎ、現在、彫刻から漆塗装、化粧箱作りまで、全ての工程を一人で仕上げる日本で唯一の職人として活躍しています。
講演では、自身の作品を見せながら、古来の技法にこだわり続けていることや、発見すら難しい材料を求めて、野山を歩き回ってきた日々について語り、「無我夢中で制作に没頭する中、大勢の人とつながり、多くのことを学んだ」と言い、「リアルな世界で手と足を動かしてほしい。自分で考え、選択して、一生懸命に取り組むことを味わって」と生徒たちにエールを送っていました。
講演を聞いた男子生徒は「鈴木さんの『お前ならできると言ってくれる仲間がいるから頑張れる。あきらめたことはない』という言葉が心に響いた」と語っていました。