アンサンブル天下統一の「ゴルトベルク変奏曲」

【コンサートのチラシ】

 12月8日 岡崎市シビックセンターで開催 チケット発売中

 岡崎市シビックセンターのレジデントアンサンブルとして活動する弦楽三重奏グループ「アンサンブル天下統一」が12月8日、同センターコンサートホール・コロネットで「ゴルトベルク変奏曲」と題したコンサートを開きます。午後3時開演。

 アンサンブル天下統一のメンバーは、岡崎市出身のチェロ奏者・中木健二さんをはじめ、長原幸太さん(バイオリン)、鈴木康浩さん(ビオラ)の3人。バッハの「ゴルトベルク変奏曲 ト長調 BWV988」の他、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプスK.618」を演奏します。

 入場料は一般3500円、学生(25歳以下)2千円。チケットは同センター(TEL0564-72-5111)で販売。

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 同センターのスタッフが、中木さんにコンサートへの思いをインタビューしました。

―岡崎の年末の風物詩を目指して始動してから3年。当初から今までを振り返ってみていかがですか?

中木さん ゴルトベルク変奏曲をアンサンブル天下統一で初めて演奏したのは、2019年の定期公演でした。コロネットの響きにとっても合っていたので、当時から何度も弾きたいと思っていた素晴らしい作品です。そんな折りに“岡崎発信で何か新しい風物詩を作りたい”っていう話をいただいて、すでに年末にはおなじみの「第九」の華やかさとは対照的に、厳かに年を振り返るような演奏会があってもいいのでは、という思いからゴルトベルク変奏曲を選びました。

 加えて、風物詩を目指すのなら地元の方と一緒にやりたくて、岡崎の合唱団とモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスで共演することにしました。この選曲は、(長原)幸太君の発案。本当に素晴らしいアイディアで、ゴルトベルク変奏曲だけで完全に完成されているけど、アヴェ・ヴェルム・コルプスならそれさえ許容し得るというか、この上ない組み合わせになったと思います。

―ホールの改修工事前最後の「ゴルトベルク変奏曲」公演です。どんなお気持ちですか?

中木さん しばらくコロネットでお客さんと会えなくなると思うと寂しいですね。コロネットで奏でる弦楽器の音は、その高い天井から“音が天から降ってくる”ような豊かで芳醇な響きで、音の芯までクリアに聴こえます。11月に発売する自分のCDもコロネットで録音しました。生演奏でもレコーディングでもこんな素晴らしいホールはなかなかありません。レコーディングエンジニアやCDレーベルの中では、要チェックホールの一つになっているほどだそうです。

 年々、この公演のコンセプトや僕たちの思いを知って聴きに来てくれる方が増えていると感じます。そういう意味では音楽を通して何かを提供するというよりは“一緒にひとつの恒例行事を迎える”っていうふうになりつつあるのかな。去年よりも今年、もし、より一層そうなるんだとしたら、お互いを身近に感じられる、距離を縮められるような機会になるんじゃないかなと、期待しています。

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