こころのケア教室 「SOS発信は価値あること」
愛知県刈谷市の「こころのケア教室」が12月5日、県立刈谷工科高校で開かれました。講師を務めた臨床心理士・公認心理師の山内恵理子さんは、心の危機に直面した際の対処法や相談する大切さを全校生徒約700人に語り、「SOSを出すことは恥ずかしいことではなく、勇気があり価値のあることです」と呼びかけました。
山内さんは「心の調子は日々変化するもの。自分が今どの状態なのか自覚することが大切」と話し、ストレスを和らげる10秒呼吸法などを紹介。心が癒やされる映像(かくれてしまえばいいのです)、歌手の星野源さんが高校時代に心のつらさを乗り越えた体験談を取り上げ、「一人で抱えきれない時は、誰かに話すことで力が戻ります」と伝えました。
さらに「悩みを抱えている友達のサインに気付いてあげて。普段通りの態度で声をかけましょう」と助言し、「心の苦しさは誰にでも起こる。でも、その時にできることがあります」と強調しました。
2年の大橋史乃衣さんは「自分の心に目を向け、今なぜ自分がうれしいのか、悲しいのかを考えてみたい」と教室の感想を述べ、「悩んでいる友達に気付いたら、あなたが大事だよと寄り添いたい」と話していました。
全国では小中高生の自殺者数が高止まりしており、高校生の割合が最も多い状況。市は自殺対策の一環として、今年度は市内3高校で同教室を開催。12月6日に同刈谷東高校で行われ、1月16日に同刈谷北高校で予定しています。