アマガエルの″分水嶺〟明らかに

愛知県の刈谷は西組? 東組?    愛教・京大共同チームが発表

 愛知県にある愛知教育大学と京都大学の共同研究チームがこのほど、近畿地方を“分水嶺”にして「2種類のアマガエルがいる」と、明らかにしました。


 決め手となったのは大腿部(太もも)に現れる模様の違い。
 刈谷を含む〝東日本産〟の個体にはヒョウ柄のような模様がある一方、〝西日本産〟には全く模様のない個体がほとんどという差異を突き止め、(真のニホンアマガエルの基準標本には模様がないことから)東日本産を新種「ヒガシニホンアマガエル」と名付けました。

 【西日本産のニホンアマガエル(左下)と新種ヒガシニホンアマガエル(右下)

  の大腿部に現れる典型的な模様の違い】

【ニホンアマガエルの大腿部】
【ヒガシニホンアマガエルの大腿部】


 同チームは2016年から本格的に調査を開始。国内外から約2千体の標本を収集して遺伝子解析や体の違いを詳しく調べ、新たな知見を2月20日、動物分類学の学術誌「Zootaxa」に発表しました。
 発表者の一人である、愛知教育大学の島田知彦准教授(45)は、「(春を迎えて)刈谷近隣の水田から聞こえてくるカエルの声の主は、ほぼアマガエル。子どもたちも触れて遊べる生き物です。研究の結果が、自然への関心につながればうれしい」と語り、「違いが生まれた理由を解明していきたい」と、今後の研究に意欲を見せています。

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