宇宙戦争 -10-
地球に接近しては不気味なほどに赤みを増す火星。古くは戦いの神アレスとされ、人々は関心を寄せてきました。
1877年イタリアのスキャパレリは望遠鏡で火星に筋状の模様を観測し「カナリ(溝)」と名付けましたが英語訳の折、人工物である「キャナル(運河)」と誤訳されます。
それに着目したアメリカのローウェルは火星全体に運河を張り巡らす高度な文明があるに違いないと主張しました。こうして火星人の存在が盛り上がる中、事件が起きます。1938年のアメリカ、「火星人の侵略です!」。ラジオ放送に人々は大混乱。実はSF小説「宇宙戦争」のドラマでした。
現在、火星には探査機が周回し、探査車が走っていますが火星人はまだ見つかっていません。そんな火星が7月に15年ぶりの大接近となります。火星人襲来にご用心ください。
絵・文/安城天文同好会
(安城ホームニュース 2018.7.14 掲載)