安城出身の中山さんが絵本を発刊
自然と命のつながりテーマに
文芸社「ネズミの種まき」
安城市出身で、岐阜県在住の農家中山陽二郎さんによる、自然をテーマにした絵本「ネズミの種まき」が文芸社から出版されました。
中山さんは高山市の農事組合法人「おどりファーム」の理事を務め、飛騨地方の自然の魅力を紹介するインタープリターとしても活動。西日本豪雨や大型台風に遭った経験から、「日常の生活は当たり前に明日も続くとは限らない」ことを物語にしました。
絵本では森で暮らすネズミとリスの目を通して、動物たちの生態や自然の厳しさを描いています。山あいの畑では春になると、動物たちが冬に備えて土に埋めめた樹木の種が芽を出すことから着想を得ました。
一昨年、文芸社の「えほん大賞」ストーリー部門に応募。受賞は逃しましたが、「テーマが深く掘り下げられていて印象に残る作品」と高い評価を受け、自費出版を決めました。
同社から紹介されたイラストレーターふくはらしゅんじさんが温かみのあるタッチで動物たちを生き生きと表現。樹木の葉の形や季節の変化、動物の足跡も忠実に描かれています。
中山さんは「子どもだけでなく大人にも納得してもらえるよう、自然の世界をできる限り正確に伝えたかった」と振り返り、「安城出身なので、新美南吉先生の童話のような親しまれる作品を目指しました。自然に興味を持つきっかけにもなってほしい」と思いを込めます。
A5判、32ページ。本体価格1100円。各書店で注文販売または文芸社ブックサービス(フリーダイヤル0120-29-9625)へ。
(安城ホームニュース 2020.6.26 掲載)