知立の歴史ぶらり探訪・翁のいざない

第10話(前編) 東八鳥公園の銀杏

 東八鳥公園をご存()
 一瞬、〝知立の東部地区にある公園〟と思われたのではないでしょうか。ところがこの公園は、豊田と刈谷を結ぶ国道155号の西側にあるのですから、土地の名前は難しいですね(西八鳥と言う小字名もあります)。
 公園を訪ねると、銀杏(いちょう)の木が大きく枝を広げています。案内板によれば、この木は1900(明治33)年10月、知立町他4カ村学校組合立第一高等小学校が西新地に開校されたとき、北門を入ったすぐ左側に植樹。1938 (昭和13)年に小学校は移転、この木だけが跡地に出来た新地町公民館前に残ることになったのです。  物語はさらに続いて、公民館改築に伴い、1981(昭和56)年には知立高校運動場西端に移植。1988(昭和63)年になって、やっと安住の地を東八鳥公園に得たのです。「孟母(もうぼ)三遷(さんせん)」といいますが、この木にとっては「銀杏三遷?」。

(坂之上九門)

【秋空に高く伸びる銀杏の木】

(知立くらしのニュース 2012.10.20 掲載)

関連記事一覧