古関裕而作曲の盆踊り曲

「刈谷小唄」「刈谷音頭」 70年前のSPレコード見つかる

【「刈谷小唄」と「刈谷音頭」が収録されたSPレコード。白いレーベルはテスト盤と思われる】

 刈谷市の前副市長の川口孝嗣さん=刈谷市池田町=の自宅から、NHK連続テレビ小説「エール」の主人公のモデルとして注目を集める古関裕而(1909~89)が約70年前に作曲した刈谷の盆踊り曲「刈谷小唄」と「刈谷音頭」を収録したSPレコード3枚が見つかりました。1枚は盤面中央のレーベルに歌手名などが手書きされており、川口さんは「テスト盤ではないか。このような貴重なものが出てきて驚いています」と話しています。

 古関は福島県出身。「栄冠は君に輝く」をはじめ、生涯に約5000曲を作曲。地方の盆踊り曲や校歌なども数多く手掛けました。刈谷の2曲は市制1周年記念事業として、名古屋の放送局を通じて制作を依頼。作詞は「刈谷小唄」がサトウハチロー、「刈谷音頭」が藤浦洸が手掛けました。


 川口さんは3月頃、音楽鑑賞を趣味にする祖父や父が所有していた木箱を整理していたところ、古いSPレコードを発見。「祖父は元地区委員で、その縁かもしれませんが、なぜこのようなレコードが家にあったのかは不明です」。自宅にある古いレコードプレーヤーにかけると、ジジジというかすれた音とともに味わい深いメロディーが流れてきたそうです。

 刈谷小唄と刈谷音頭は、制作から70年がたった現在でも、夏になると各地区の盆踊り大会で必ずかかる定番曲。川口さんは「今でも市民の皆さんに親しまれているということがすごい。これからも末永く愛されていってほしいですね」と、目を細めていました。

(刈谷ホームニュース2020.07.24掲載)

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