知立の歴史ぶらり探訪・翁のいざない
第13話(後編) ご当地演歌「かきつばた慕情」
楽譜を見ると短調で、3拍子ですから演歌にぴったり。加えて音域がレからドまでのわずか7音ですから歌いやすさ。2番の歌詞は『伊勢物語』第9段そのものです。なお落田中とは、大水によってすぐ流される水田のことですが、その落田の中にある松だから「落田中の一松」。
2、風 吹いてます かきつばたの花に/花ゆれてます かきつばたの花が/ご存知ですか ご存知ですか 東下りの古道/都に暮らす あなたを思う/蜘蛛手にかかる橋 落田中(繰り返し)健気に咲いた 薄紫の/あなたに似てる花 花よ花
折句の傑作「からころも・・・」が生まれたのは858年。千年余の時空を飛び越えて、21世紀に登場したら、何とご当地演歌に変身していたのですから業平もびっくり?
2013(平成25)年は、カキツバタが市の花に制定されて40周年。これからも大切に守り育てていきたいものです。
(坂之上九門)
(知立くらしのニュース 2013.05.18 掲載)