知立の歴史ぶらり探訪・翁のいざない
第17話(前編) 松並木の一茶句碑
句碑は南側の松並木、東から数えて19本目の松の下にあります。表面には、
はつ雪や/ちりふの市の/銭叺 一茶
裏面には「七番日記より真蹟拡大」と刻字。さらには「市制・文協二十周年記念 平成二年晩秋 之を建つ」とありますから、知立市制20周年・文化協会創立20周年を記念して1990(平成2)年に建立されたことが分かります。
叺(かます)と言うのは、むしろを二つ折りにして両側を縫い合わせたもの。通常は米や木炭などを収納するために使うものですが、ちりふの市では財布代わりにしていたのですから、一茶もびっくりしたことでしょう。銭叺、この一言で大にぎわいの池鯉鮒を表現したのは、さすが!
一茶の俳句には、どれも飾り気のない日常の実感がありますね。
(坂之上九門)
(知立くらしのニュース 2013.12.21 掲載)