見通しよき春 -7-
夜8時ごろ、空を見上げてみると西には冬の星座、東には春の星座が見えています。冬の星空には1等星が7個もあってとてもにぎやかです。それに比べて春の星空は1等星が3個と寂しい感じがします。なぜ春は星数が少ないのでしょう?
私たちの地球がある太陽系は2000億個の星が凸レンズ状に集まった銀河系の中にあります。その直径は10万光年で、中心から2・6万光年と端の方に太陽系があります。地球から銀河系の中心方向を見ると星が重なって帯状に見えます。これが夏の天の川です。

では春の星空はというと銀河系の円盤に対して星数がまばらな垂直方向を見ています。星数が少なくなりますが、そのおかげで、はるか遠くの天体を見通せる宇宙ののぞき窓になっているのです。
絵・文/安城天文同好会
(2018年4月14日掲載)