宇宙警察 -8-
日がすっかりと暮れるころ、キラリと光る星が目につきます。
太陽系最大の惑星、木星です。その直径は地球の11倍もあり、強い重力を持っています。
1994年にはシューメーカー・レビー彗星が捕らえられ、分裂して次々と木星に衝突しました。人類史上はじめて観測されたこの天体ショーは千年に一度の大天文現象と話題になりました。
しかし、このとき観測された衝突痕から、過去にも同じような観測記録があったことが分かり、木星への天体衝突は思っていた以上に頻繁であることが分かってきました。
木星は太陽系の内側に入ろうとする小天体を次々と捕まえてくれています。そのおかげで地球への天体衝突の危機性はぐっと下がっています。
木星は地球の平和を守る宇宙警察だったのです。
絵・文/安城天文同好会
(2018年5月12日掲載)