輪をかけて不思議な星 -9-
深夜を過ぎた頃、南の空を見上げると、西に木星、南に土星、東に火星がきれいに並んで見えます。みな1等星より明るいのですぐに見つかります。肉眼では一番ひかえめな土星ですが、ご存じのとおり環(わ)をもった神秘の惑星です。
土星本体の直径は地球の9倍もあります。大きく取り囲む環は、主に数センチから数メートルの氷のかけらでできていて、その厚さはたった数百メートルしかありません。巨大な土星ですが、平均密度は水の0・7倍と軽く、水にぷかぷかと浮かんでしまいます。
ガリレオが土星に望遠鏡を向けてから400年、今日では探査機も送り込まれ、土星の北極には正六角形に渦巻く奇妙な現象も発見されました。そんな時代でも望遠鏡でぽっかりと宇宙に浮かぶ土星を見るたびに、驚きと不思議を感じてしまいます。
絵・文/安城天文同好会
(2018年6月9日掲載)