創業150年 着物文化の継承と発展
刈谷市の市川呉服店
刈谷市広小路の市川呉服店が、3月で創業150周年を迎えました。着物を通じて和文化の魅力を伝え、地域に根差した呉服店として歴史と伝統、信頼と実績を築いてきました。6代目社長の市川裕大さんは「長く続けてこられたのは、お客さまと従業員のおかげです」と目を細めています。
同店は1871年(明治4年)の廃藩置県を機に、旧刈谷藩士の市川宗平が同年、刈谷城の町口門前(旧肴町=現在の銀座5丁目)に開業したのが始まり。戦中、一時的に店を閉めていた時期もありましたが、先代の裕士さん・文子さん夫妻が中心となり、昭和の激動期を支えてきました。
店は1973年、現在地に移転。裕士さん亡き後は裕大さん・嘉子さん夫妻が引き継ぎ、昭和、平成、令和と、従業員らと力を合わせて歩んできました。「嘘をつかず、常にお客さまに寄り添うことを大切にしてきました」と裕大さん。
昨今、着物は冠婚葬祭での着用が主流。時代の変化にも柔軟に対応してきました。嘉子さんは「レンタルをはじめ、お母さまやおばあさまのお着物をお嬢さまの寸法に直すリスタイルも好評です」と話します。
長男の善一さん・智美さん夫婦も店に立ち、若い感性で次世代に向けて着物の魅力を発信。善一さんは「時代に合った新しい付加価値を創造し、お客さまをトータルにサポートしていけるよう、今後も精進してまいります」と力を込めます。
同店では、創業150周年を記念したセールなどを開催中。9月にメインの催事を計画しています。問い合わせは、同店TEL0566-21-5050
(刈谷ホームニュース2021.4.23掲載)